有機農業と平飼い卵

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関塚農場

関塚農場(栃木県佐野市)

栃木県佐野市の中心部から車でしばらく山間に向かい走ると、有機農業で話題となっている関塚農場に到着しました。ここでは、米、野菜、平飼い卵を生産しています。農場主の関塚さんの生活も、自然回帰そのもので余分なものを一切省いて自然の恵みを得ながら生きる姿がとても印象的でした。

有機農業への取り組み

 関塚農場は人里離れた山の中にあります。とても美しい山々と緑が広がる平原が見渡せるファームです。ここでの農業は人と自然の共存を考え方とした時間と手間を惜しまない有機農法(オーガニック)です。しかし、工場形式で養鶏が行われ自動的に卵が回収されてくるシステムでの経営と比べると、関塚農場では人間の手と知恵に頼る農業となる分効率では大型の養鶏場にはかないません。

 ですが、効率ではなく「人や動物にやさしいかどうか」となると、関塚農場の生産方法はやはり優れているといえるでしょう。有機農業(オーガニック)は、人工的な肥料などは一切しようせず自然の循環にまかせて、大地に合わせて生産するということ。あらゆる生き物(動物も植物も)が、本来自然のままに育つことを前提にした農業です。そこから収穫される米や野菜、それに卵がどれだけ人間にもやさしいか、瞬時に理解できます。

平飼い卵とアニマルウェルフェア

卵も、コンセプトはそこに近づけてあります。自然の環境をニワトリに与えてあげて、自然の中から強い免疫を作る。それで、結果として抗生物質などの薬に頼ることなくニワトリは元気に育つのです。そのうえ、飼育するエサも自分で調合するため余計な化学物質や遺伝子組み換え食品は一切はいりません。自然のままのエサがニワトリに与えられます。

 

 平飼い飼育は地面を歩ける状態で飼育することですが、1㎡に9羽までの密度と定義されています。そこでも、関塚農場では1坪(3.8㎡)でも10羽以下という空間を与えています。どれだけ自然に近づけているかよくわかります。これは、最近欧米で語られる動物へのケア、いわゆるアニマルウェルフェアにおいても素晴らしいことです。

 

 こうして育った元気な親鳥から生まれる卵は、ニワトリが生き物として幸せに生活した状態で出来上がっています。つまり、卵も自然に近い状態でうまれてきますので、当然ながら味にも自然な風味や深みが残ります。そして、それは我々の健康のためにも最も大切なことなのです。

家まで自分で建ててしまったという農場主の関塚さん

​メスのニワトリの中に少しだけオス(白)を入れて有精卵を作る。エサは自然のものしか与えないため、自前で調合する。

関塚農場 〒327-0517 栃木県佐野市秋山町1562 電話0283-87-0536

生活そのものも自然回帰

 農場主の関塚さんは、もともと埼玉県で育ったようです。人生観を転換したことで、栃木県佐野市のこの場所にきて自然と共に生きる農業に転身しました。そして、今現在の生き方もまさに自然に溶け込むような生活になっていました。

 まず、なにより驚きはおおきな木造の自宅も自分で建築したということ。農業だけではなく、自分の生き方においても最初から手作りを実践してきたのです。

 家の中には日本が昔まだ物資が少なく燃料が足りなかったころのように、土間があり、マキで炊く風呂ガマがあり、米を炊くかまどがあり、そして囲炉裏もあります。すべて家の周りの自然の燃料で生活できる環境になっているわけです。

 思い出せば、子供のころ食べていたご飯はこういうかまどと羽釜を使って炊いていました。囲炉裏ではみそ汁や煮物や塩焼の魚が作られては、ご飯の時に一緒に食卓に並びました。そしてそれは今でも覚えているほどおいしいご飯でした。

 

 自然と共に生きる人間は本当は一番幸せなのかもしれません。便利さだけを追求すれば自然が一番ではないでしょう。でも、すくなくとも我々の体にとってはそれが最も理にかなっているように思います。

 関塚農場では、もう忘れてしまった本来の自然と人間の共生の姿を思い出すことができるのです。

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